《松本 茂のできる大人の英語塾 vol.1》英語学習は食事と同じ?

Hello, everyone!

コミュニケーション教育者の松本 茂です。

英語学習って食事と同じって知っていましたか?

例えば、お肉とお魚と野菜をバランス良く、そして、自分に合った量や必要な栄養を摂取することで健康を維持して活力ある人生を送れるのと英語も全く同じなんですよ。

今回は私から見た日本の英語教育の現状と、バランスについてお話させていただきます。

英語教育という話題はなぜそこまで人々を熱くするのだろうか?

大手新聞社の記者T氏によれば、

英語教育の記事が新聞に掲載されると、投書が普段の何倍も届くという。掲載されるかどうかもわからない投書をわざわざ書くという労力を考えると、こと英語教育となると、かなり強い意見を持っている人が多いということだろう。

では、英語教育という話題はなぜそこまで人々を熱くするのだろう。

よく「学校で6〜10年間も学んだのに、日常会話すらできない」という苛立ちの声を耳にする。怨念に近い思いをいただいている人もいるようだ。

では、小中学校で学んだ他の教科の内容が、その後の人生でどれほど直接的に役立っているか、と問われればどうだろうか…。

小学校6年間で習った算数、社会、理科などの内容は確かに役立っているように思える。

大人になって日常生活で行っている計算は、小学生の頃に学び、繰り返し問題を解いたおかげかもしれない。

鳥取県と島根県の位置関係、栃木県の県庁所在地は栃木市ではなく宇都宮市、といった知識は小学校の社会科の授業で習って得たものだ。今、私がこうやって漢字を使いながら文章が書いている(あなたが漢字まじりの文章を読めている)基礎力は小中の国語の授業のおかげだろう。

英語は実用性が高いもの?教養性が高いもの?

では、英語に関してはどうだろう。昔は小学校では教えられていなかったので、中学1年生からの英語の授業が、その後の人生でどれだけ役立っているのか、ということなのだが…。

こと英語に関して言うと、今も昔も高校受験や大学受験において重要教科であるがために、「かなりの時間を費やして勉強した」という思いを多くの人が抱いているのだろう。またもう一方で、同じ言語であっても、古文や漢文といった教養性が高いものと違い、実用性の高いものという意識が強いのだろう。

最近、英語の授業の内容や指導法は大きく変わりつつあるが、昔は意味の分からない単語を辞書で丹念に調べながら英文を和訳し、和文を英訳するといた演習、文法に関する知識を詰め込んだ上で問題演習をするといったことの繰り返しだった授業内容が多かった。生徒たちは、こういった類の問題が出題される定期試験や大学入試問題に対応する英語力をつけていた。

その一方で、人々は「日常会話」という実用性の高い「聞く・話す(やり取り)力」が身についていることを期待している。求める成果と学んでいる内容や方法との間に大きなギャップが存在していた、ということに気づく必要がある。

そして、このことが話題になると、「読み書きの方が会話『なんか』よりも大切だ」という人が出てきて、それに対して「いや、会話できなければ意味がない」といった反論が展開され、激論の幕開けとなるパターンが多い。

どの力が大切かという議論はあまり意味がない理由

「聞く」「読む」「話す(発表)」「話す(やり取り)」「書く」といった5つの領域のうち、どの力が他に比べてより重要か、ということは、人によって違う。だから、どっちが大切か、といった議論はあまり意味がない。

ただ、バランスのよい食事が大切なのと同じように、まだ本格的に英語を使った業務をしたことがないビジネスパーソンは、「5つの領域をバランスよく伸ばすこと」を心がけることをお勧めする。なぜならば、それぞれの領域の力は密接に関係しているからだ。

(つづく)

https://soudane.jp/archives/news/seminar20180108

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